A Composer's World: Horizons and Limitations
霓**弖
「作曲家の世界」これがオリジナル
ヒンデミットの著書『作曲家の世界』は邦訳もいまは品切れのようですが,こちらがオリジナル。もともとアメリカの大学での講義録なのですが,邦訳と比較すると,オリジナルの英文はかなりフランクです。むしろ邦訳の方が硬い。英語が少しでも出来る人は図書館ででも和訳を借りてきてこのオリジナルと対照しながら読むとものすごく分かりやすいですよ。ヒンデミットの作曲家としての様々な意見が読み取れてとても参考になります。後半の最後の方の記述で "the composer, ... could be the helper and evev the spritual leader in a search for a more salubrious musical world; it should be his main objective to lift the consumer to a higher level by convicting him of the harm a constant yearing for entertainment produces..." とあり,作曲家がなすべきことを彼なりに厳しく定義しています。これを読んだとき,例の佐村河内事件を思い出しました。作曲家のすべきことは消費者に売れる作品を書くことではない,大衆を,商業音楽の中から,高い水準の音楽が理解できるように引き上げていく作品を書く努力をすべきなのですね。かつては映画音楽も手がけ,またアメリカに渡ってヨーロッパとは全く違い消費社会の洗礼も浴びたヒンデミットの長い作曲家経験により出てきたこの言葉は現代の音楽シーンにも一石を投じる価値が充分あると思います。
Trustpilot
3 weeks ago
2 weeks ago