Righteous Victims: A History of the Zionist-Arab Conflict, 1881-2001 Paperback – August 14, 2001

New Historianの一人であるBenny Morrisによるパレスチナ紛争史で、定番書のひとつだと思います。Morrisはイスラエルではパレスチナ人寄りとされますが、パレスチナ人から見ればイスラエル寄りといった立場の学者です。戦史に近い部分もありますが、個々の紛争の原因や背景にも重点がおかれていますので、パレスチナ紛争を概観するのに大変良い本だと思います。ちょっと大著ですが、Morrisの英語は読みやすく、内容もわかりやすいのでお薦めです。ただ、パレスチナの地理に疎い日本人が読むには地図が足りないと思いますので、The Routledge Atlas of the Arab-Israeli Conflict (Routledge Historical Atlases)や、あとできればThe Arab-Israeli Wars: War and Peace in the Middle East (Vintage)に入っている地図を参照しながら読まないと途中で挫折してしまうかもしれません。ペーパーバック版で一章追加されていて、2001年初頭まで（クリントン大統領によるキャンプ・デービット会談が沈没するまで）がカバーされています。